月別アーカイブ: 4月 2015

『カフカ、作品と人間』 ~ フランツ・カフカ  Book*Book vol.031

こんにちは!
シンガー・ソングライターの島田のぶひろです。

高円寺 Cafe Cross Point の Book*Book、
だいぶ間が空いてしまいましたが、
第二回目は大好きな作家、カフカの作品集を
ご紹介したいと思います。

カフカ

いきなりこの写真、”筑摩世界文学大系”だなんて
なんとも大げさでお堅い本ですが、よく図書館に
置いてある世界文学全集のようなもので、
このカフカの巻には彼が生前残した短編・中編の
ほとんどが収められています。

そんな立派な本が、家の近くの古本チェーン店で
なんと100円で売られていて、外箱や中身の状態も
良く、びっくりして即購入したのを覚えています。
さすがは○ック・オフ、物の価値に対して値段設定が
メチャクチャで、本当にありがたい限りです(笑)

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さて、カフカと言えばシュールで独特な作風で知られ、
例えば有名な『変身』という作品では、主人公の
グレーゴル・ザムザがある朝目覚めるとベッドの上で
大きな虫になっている自分を発見する…といった、
内容・設定ともに超現実的で不思議な物語が多くて、
人によっては難解と感じる方もいるようです。

どの作品も同じところをぐるぐる回って
結局どこに行き着いたのか分からないような
結末を迎えるものや、あるいはそもそも結末
なんてなかったかのような、身も蓋もない唐突な
終わり方をする作品ばかりです。

泣けるような感動的なストーリーや、ハラハラ
ドキドキさせておいて最後にはちゃんと伏線を
回収してくれる、よく出来たサスペンス作品を
好む人にとって、カフカの作品は

「は?」

 あるいは、

「で?」

となること必至なわけです(笑)

僕にとってもカフカの小説は、最初はやはり
よく分からないものでしたが、いつからか、
小説を読むのに何でもかんでも内容を理解して
分かったような気になることをやめてからは、
とても真に迫り、心を揺さぶる、
そんな物語になったのでした。

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数々の個性的な作品を残したカフカは、いったい
どんな人間だったのかなぁと少しずつ本人にも
興味がわくようになってきて、作者自身に
関する本や文献を読んでみると、とても
親しみやすく、愛らしくもある(?)
そんな人間像が見えてきました。

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チェコの首都、プラハで生まれ育ったカフカは、
今では20世紀最大の文学者の一人に挙げられる偉大な
作家ですが、本人はいたって普通の暮らしをしながら
職場である「労働者傷害保険協会」で毎日真面目に
働いて、午後の空いた時間に執筆をする、
そんな作家でした。

僕が大好きなエピソードがあって、
カフカはいつも週末になると友人たちと数人で
プラハのカフェでご飯かお茶をしながら、
自分の作品を朗読していたそうです。

周りでそれを聴いている友人たちは爆笑だった…

とその文献には書いてありますが、もしかしたら
「おいフランツ、お前ナニ訳の分かんないこと
 言ってんだよ~ ハハハ!」
みたいな、なかば馬鹿にした様な笑い
だったんじゃないかと、勝手に想像しながら
ちょっと哀れになってしまいます(笑)

それでも、たとえ時に馬鹿にされていたとしても、
変テコな小説ばかり書いていたカフカが決して
天涯孤独ではなく、友人たちに囲まれて
生きていたという事実を思うたびに、
なんだか泣きそうになるほど、
嬉しくなってしまうのです。

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そしてその友人たちの中でもカフカの一番の親友で、
自身も作家であったマックス・ブロートという
有名な人物がいます。

彼はカフカの存命中からその作品の芸術的な価値を
認めている一人でしたが、カフカが晩年、病を患って
マックス・ブロートに遺言を残します。
それは、

「僕が死んだら、僕が書いた小説や文章は
             全て焼き捨ててほしい」

というものでした。
その遺言を一旦了承するマックス・ブロートでしたが
カフカの死後、彼は全く逆の行動に出ます。

カフカが残した小説や散文を焼き捨てるどころか、
これはきっと素晴らしいものに違いないと確信し、
積極的に世の中に発表し、広めていくのです。

それはもしかしたらカフカが本当に望むところでは
なかったかもしれません。

あるいは逆に、もしかしたら友が
自分に代わって作品を世に広めてくれることを
確信していて、あえて”焼き捨てて”などと
ひねくれた遺言を残したのかもしれないし、
それは本人にしかわからないことですが、
少なくともマックス・ブロートのその ”誠実な裏切り”
とでも呼びたくなるような行動がなければ、
世界中の人達がカフカの作品に親しみ、
感動するようなことはなかったわけです。

このエピソードは、年月を経る中で
多少は美化されているかもしれませんが、
それでもなんて素敵な話だろうと感動してしまいます。

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すっかりカフカが好きになった僕は、2006年に東欧を
旅した際、彼が住んでいたという住居を訪ねてきました。
プラハ市内にあるそのアパートは、
小さいけれど可愛らしい、素敵な住まいでした。

近くの市庁舎前ではクリスマスマーケットが開かれていて、
その横にあったお洒落なブックストアで手に入れた
カフカの生涯を記した英語の絵本も、
Cafe Cross Point に置いてあります。
よかったら是非、ご覧になってみてください。

カフカ絵本

シンガー・ソングライター
島田のぶひろ


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カフェクロスポイントでフォトブックを作りました。

ものすごくお久しぶりの通常更新でございます。今回はフォトブックのお話。

カフェクロスポイントで一冊、フォトブックを作りました。
タイトルは『CCPのABC カフェクロスポイントの楽しみ方』というものです。
ざっくりご紹介すると、CCPではこんなことやっているんだよ、とか
こんな思いでやっているんだよ、というのを写真とテキストでまとめたものです。

CCPのABC

当店はギャラリーカフェですので写真とは何かと縁があり、私個人としては何冊か
フォトブックを作ったこともありましたが、お店としてはまだありませんでした。

オープンしてから3年半以上やってきて、試行錯誤しながらできることを増やしたり
ルールを変えてみたり。オープン当初とは色んな意味で様変わりしていると思います。

まだまだ至らない部分もありますが、ひとまずここで「今できること」をご紹介したものを
まとめてみたいなと思ったのがそのきっかけです。

CCPのガイドブック的なものとして、楽しみ方の「いろは」をお伝えしたいなと。
カフェクロスポイントはCCPとアルファベット3文字で略すことが多いので、それに合わせて
「ABC」というアルファベットでキーワードを考えました。

AからGまで7つを頭文字にしたキーワード。その内容は。。。読んでみてのお楽しみ。
店内に2冊設置しておりますので、お気軽に手に取って頂ければと思います。

CCPのABC

因みに。
今回はこちらのサービスを使ってみました。

http://yourbook.jp/

自由度は高いし装丁も良い質感です。作ってよかったなぁと思えます。


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